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ひそかブログ

アニメでするリアルの話、リアルでするアニメの話。そういうのが好きです。

僕だけがいない街 前半(第6話まで)の感想 - 情感の過去と情報の現在。つづきが気になるヒキに凝った演出を加味

僕だけがいない街


全12話で完結予定のアニメ「僕だけがいない街」
第6話放映時点で全体の半分、アニメシリーズの前半部分が終了しました。ということで第6話の感想を単独で書く代わりに、ここまでの印象として2点ほど書いてみたいと思います。

僕だけがいない街 第6話 感想

原作は既刊7巻のうち6巻まで既読です。



前半の印象その① - 情感の過去と情報の現在

アニメ「僕だけがいない街」にはふたつの時代が出てきます。放送話数でいうと、

  • 2話から第5話前半までの「過去」(1988年;昭和63年)パート
  • 1話と、第5話後半から第6話までの「現在」(2006年)パート

このふたつの時代で、「過去」と「現在」とでずいぶん雰囲気が違うな、というのが印象として大きいです。


過去パートは情感たっぷりに。
かかる劇伴(BGM)も情感あふれた曲が多く、暗さや切なさが前面に出た劇伴に、何度も何度も感情を揺さぶられました。

いっぽう現在パート。
こちらは過去パートと対照的に、情感は控えめで代わりに情報が多めって印象です。特に第6話の前半は、過去パートに対する情報がたくさん出てきましたし、また劇伴の方も過去パートより控えめじゃないかって印象があります。

というか……
単純に過去の方が劇版音量がデカいような? 気のせいかなぁ…… 


過去パートと現在パート。
制作者サイドは、このふたつのパートを意図的にかつ明確に雰囲気を描き分けて作っているんじゃないでしょうか。画面サイズも過去がシネスコサイズ、現在がビスタサイズと区物がつけられていますし。

↓ 過去のシネスコサイズ(2.35:1)
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↓ 現在のビスタサイズ(1.66:1)
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どこかノスタルジックで叙情感あふれる過去と、サスペンチックで情報収集による推理感が強い現在。対象的な過去と現在の描き分け、“情感の過去と情報の現在” って感じの描き分けが、アニメ「僕だけがいない街」の前半(第6話まで)における強い印象のひとつです。


印象その② - つづきが気になるヒキに凝った演出を加味

ストーリーものにおいてヒキをつくるのは大事なことでしょう。
「え?! 何それっ? このあとどうなるの?!」
そんなヒキがラストにあることによってつづきが気になりますし、次回も見たくなりますよね。ヒキは視聴のモチベーション。

「僕だけがいない街」も他のストーリーもの作品と同様に、つづきが気になるヒキを作ることに心血を注いでいると感じます。さらに僕街で特徴的だと思うのは、そのヒキの部分周辺にカメラワークを中心とした凝った演出が加味されることです。


1話だと、短い時間のリバイバルをふたつ見せておいて一気に昭和63年へと飛ぶリバイバルというヒキに、長い尺のカットに高速のトラックバックを二回加える、という凝った演出が加味されていました。
4話だと、雛月を救うことに成功した悟が走り出してフレームアウトからのジャンプで喜びを爆発させたあと、翌朝雛月が登校していない、というヒキへ。
6話だと、連行される悟と警察官をフォローしながら、悟の横顔から黒傘に隠れた口元微笑の男へとピン送りをし、スローモーションから青い蝶がモノクロ画像を舞う、という凝った演出でエピソードが閉じられました。


第6話 ↓
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僕街はヒキだけならば毎回つくられていますけど、要所要所の回ではカメラワークを中心とした凝った演出の加味されているところが特徴的だと感じます。
ヒキプラス凝った演出。
そういう意味で、僕街はラストに着目したくなる作品ですね。


面白かった6話までの公式ダイジェスト

公式による第6話までのダイジェストが公開されています。
↓ アニメ「僕だけがいない街」第一話~第六話ダイジェスト 動画(17分21秒)


良く出来てるわこれ! 面白くてかぶりつきで見ちゃいました。
「バカなの?」もいっぱい出てくるしw
18分弱でアニメ僕街の前半6話が整理されていて、感情も大きく揺さぶられる出来でした。お得な仕上がりの力作ダイジェストですね。


では情報が多いと感じる現在パートの補足として、ダイジェストに登場する第5話と第6話の字幕部分を下に書き写してみます。

第5話「逃走」

雛月の家を訪れたが何も反応はなく物置の近くには足跡が残っていた。彼女を救うことは出来なかったのか――? やりきれない思いが悟を襲う。

大人達は雛月の真相を隠す為、札幌の祖母の家に行ったという嘘を付く。さらに隣の学校の中西彩も失踪。18年前と同じ時の流れに乗っている…

気が付くと、そこは2006年。過去を変えられなかったために戻ってきた悟は、警察から逃げる決意をする。

高橋から電話をもらい避難するも、警察に通報されてしまう。逃げ出した先で一筋の光が悟を照らす。そこに立っていたのは――

愛梨に助けられた悟は、そこで18年前の事件の内容が変化していることを知る。もう一度過去に行けば雛月を救うことができるという希望が見え始める。

愛梨は父親に纏(まつ)わる苦い経験と、だからこそ人を信じたいという想いを語る。

だが、母・佐知子を殺した犯人の手は愛梨の元にまで忍び寄る――

第6話「死神」

の中から愛梨を救い出し、渡された携帯から、この放火も同じ犯人によるものだと確信した悟。佐知子が残したメモを頼りにある人物を訪ねる。

悟は澤田から、佐知子が真犯人に辿り着いた真実と、犯人は無実の人物を容疑者に仕立て上がるという推察を聞かされる。

悟は容疑者リストを読み、犯人がそのリストから外れる為に女の子と間違われやすいヒロミを殺したという推察に行きつく。

母親に背中を押された愛梨は、悟に会う為に病院を抜け出した。そしてバイト先の店に出入りしていた「西園」という人物が怪しいと語る。

昔描いた漫画に出てくる死神の話と、今の自分の状況が酷似していると悩む悟に愛梨は優しく語りかける。



― 僕街6話をすべて見返すのはタイヘン。だけどここまでのおさらいをしたい ―

そんな人たちにとって、まさにうってつけのダイジェストですね。またダイジェストを見ると、製作者がどの情報を重視しどのシーンに力を入れていたのか、そういう想いが透けて見えてくるところが面白いです。ひとまず私に分かったのは製作者が、

「バカなの?」重視だなぁ

ってこと( ̄▽ ̄)
アニメに出てきた「バカなの?」は、もしや全部ダイジェストに入っているのでは?


最後に

私の場合「僕だけがいない街」は、現在パートに来るとあまり感想が浮かばなくなってしまいます。なんでだろ? ちょっと不思議です。その代わりにって感じで今回は前半(第6話まで)の印象を2点あげてみました。


じゃあ最後に伊藤智彦監督による第6話のおさらいイラストを↓

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「片桐アイリ、17歳でーす♡」


愛梨のベッドから愛梨母の声が聞こえた瞬間、驚いてヘンな鳥肌が立っちゃいました(汗




「僕だけがいない街」 (全12話)

(スタッフ)
原作:三部けい
監督:伊藤智彦
シリーズ構成:岸本卓
キャラクターデザイン:佐々木啓悟
美術監督:佐藤勝
音楽:梶浦由記
アニメーション制作:A-1 Pictures

(キャスト)
藤沼 悟(ふじぬま さとる)
満島真之介(29歳)、土屋太鳳(10歳)
片桐 愛梨(かたぎり あいり):赤﨑千夏
高橋店長:竹内栄治
澤田 真(さわだ まこと):大川透
愛梨母:中根久美子

(主題歌)
オープニング・テーマ「Re:Re:」
歌:ASIAN KUNG-FU GENERATION

エンディング・テーマ「それは小さな光のような」
歌:さユり



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