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ひそかブログ

アニメでするリアルの話、リアルでするアニメの話。そういうのが好きです。

僕だけがいない街 第3話 感想 - 見た目は子供、声は大人。29歳のモノローグに味わいを感じた

僕だけがいない街

「僕だけがいない街」第3話、「痣」の感想です。

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たったひとつの真実見抜く。
見た目は子供、声帯は大人。その名は名探偵・悟。
ってどこかで聞いたフレーズですが。

第3話は、要所要所で挿入される29歳悟のモノローグに味わいを感じた回でした。

原作は既刊7巻のうち6巻までが既読。なるべく僕街のネタバレ気配を避けて書きたいと思います。



最近はひとつの記事に時間がかかりすぎて。そんな悩みを抱いてるひそかです。もっと文章量も記事完成までの時間も短くしたいなぁ。

僕街のキャラとキャスト

公式H.Pから、各話ごとに更新される登場人物と配役の画像 ↓ です。

僕だけがいない街 登場人物とキャスト 人物相関表


うん、みやすくてわかりやすい。
ところでこの画像の雛月母は目が「赤」ですね。
第1話でもOP映像でも雛月母でも。悪い行いをする時の目がみんな赤で描かれるのが特徴的で。その演出意図は何だろう……
「今この人悪いことしてますよ」って直感的に分かるようにするための演出かな? 

印象的だった大人悟のモノローグ集と味わいを感じた理由

ではストーリーの順番に沿いながら、第3話で印象的だった大人悟のモノローグを5つの場面から(青文字)で書き出してみます。

1. 背後から八代に声をかけられた場面にて

Xデー(雛月が誘拐される日)を特定するには、まずは雛月の誕生日を知る必要がある。生徒名簿を見るために忍び込んだ職員室で、悟は背後から担任の八代学やしろがくから声をかけられました。

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(八代学。この頃俺と同い年ぐらいか…… 観察眼の鋭いヤツだ)

同じ年になって見る当時の担任教師は、当時とはひと味違った人物像に見えるんでしょうね。

2. ペーパークラフトが趣味のユウキ(白鳥潤)に関して

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(このときユウキさんは23歳。俺より年下になってしまった。 
どもるクセもお人好しも相変わらず。いい人だ。
白鳥潤。2006年5月現在、確定死刑囚。初公判から一貫して無罪を主張)


俺より年下になってしまった、か。
大人悟による(このときユウキさんは23歳)のナレーションが入った瞬間、場の空気が一変するような気分を味わいました。

1988年にリバイバルで来た当初。
悟の最初の目標は、母の藤沼佐知子を救うことでした。

母を救うためには過去を変える必要があり、現在彼の主眼は雛月加代を救うことにうつっています。そして今回さらに、ユウキを救うことも悟の目的のひとつに加わってきました。事件そのものを未然に防げれば、ユウキが容疑者として捕まることも起こらないって事ですね。そうすればユウキさんを助けられる。

3. 納戸で「痣」の雛月加代を発見した場面にて

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(こいつ、こいつ!)

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(悲しいウソをつく雛月にかける言葉が見つからなかった)


ここは普段の冷静な口調とは逆に、大人になってもやはり感情が揺さぶられてしまうんだろうなと。加代を虐待する母に対しては激しく怒り、痣の原因について「転んだ」とウソをつく雛月には言葉が出ない。大人の声であるがゆえに、余計に悟の感情の強い揺れを感じました。

4. 給食費が無くなった場面で美里に対して

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(てめーのしわざだろうがっ!)

ぶふっとふいた。
大人悟のマジツッコミモノローグに鼻から大量に空気が……
雛月を給食費泥棒に仕立てようとした美里に対し、まずは子供声の悟が雛月をかばって叫び、そのあと大人声の悟がマジツッコミをモノローグするのが何とも可笑しい。子供声→大人声ときたので、ドスのきいたセリフに感じました。

5. 雛月を誘いクリスマスツリーを見に行った場面にて

(今日はツイてる。雲が晴れてきた)

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この時の悟はキタキツネに言い放った「カップル」の言葉に照れつつも、同時に周囲がよく見えているんですね。どこか一歩引いた、大人の冷静な部分があるのを感じるというか。


手を取り合い、急な雪の斜面を登りきったふたり。
大きな木のふもとから満天の星空を見上げます。カメラはそんな2人をローアングルからぐるりと。


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(パンツ見えねーな)

あ、思わず声に出た。
大人悟ではなく、これはひそかさんのモノローグでした。


アニメ「僕だけがいない街」では10歳と29歳、ふたつの声が入り混じりながら物語が進んでいます。実際に声が当てられると、マンガを読んだ時とはまたひと味違ったニュアンスを感じるもんですね。より客観性を感じるというか冷静さを感じるというか。「郷愁」(ノスタルジー)も含まれるかな。

雛月との関係性においてもそう。
アニメでは小学生同士の恋愛というよりも、悟と雛月が “父と娘” とか “年の離れた兄と妹” のような関係性が強まったと感じました。いいかえれば悟が雛月に抱くのは、

恋愛欲よりも庇護(ひご)欲

のように感じます。(コイツを守りたいっ!)みたいな気持ち。マンガとは少し違った印象。そのあたりが僕街の第3話で、大人の声によるモノローグに味わいを感じた理由かなと思いました。


僕街の3種類の画面演出

先日読んだ伊藤智彦監督のインタビューによれば。

アニメ「僕だけがいない街」では、3種類の画面演出が用いられているとのことです。その3つとは、

  1. 2006年を描く時のビスタサイズ(1.66:1)
  2. 1988年を描く時のシネスコサイズ(2.35:1)
  3. 回想&説明時の映画フィルム

1.は普通の状態。2.は上下に黒枠が入り、3.はカラカラカラカラの音が入ったりしながら、画面上下を映写フィルムが高速で流れるような演出が施されています。


↓ 1.のビスタサイズ
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↓ 2.のシネスコサイズ
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↓ 3.の映画フィルム
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1.と2.は年代の違いを表現し、3.は「ここは回想とか説明ですよ」と、視聴者により分かりやすくするための視覚的な工夫じゃないかと思います。


昨日、OP映像に関する感想記事を書きました↓

この記事を書きながら(いやーOP映像凝ってんなー)と思ったのですが。
本編もOPに負けじと趣向が凝らされていたんですね。おかげで3.などは(ああ回想だな)と無意識に直感的に理解していました。ふむ、ブログもかくあるべし。なるべくパッと見で分かりやすい工夫をしたいものですね。


最後に

「僕だけがいない街」は、マンガを読んでいても全然面白いです。先の展開をある程度知っていてもなお、画面にひきつけられる吸引力を感じさせてくれる作品。

原作の雰囲気を損ねないようにしつつ。
アニメならではの工夫を凝らした演出の数々が吸引力の源なのでしょう。今回は29歳のモノローグに焦点を当てましたけど、梶浦由紀さんによる劇判も大きな吸引力だと思います。いい曲が多い。
で、いつかサントラ出るのかなぁ。出るならぜひ聴きたいですね。


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「僕だけがいない街」 (全12話)

(スタッフ)
原作:三部けい
監督:伊藤智彦
シリーズ構成:岸本卓
キャラクターデザイン:佐々木啓悟
美術監督:佐藤勝
音楽:梶浦由記
アニメーション制作:A-1 Pictures

(キャスト)
藤沼 悟(ふじぬま さとる)
満島真之介(29歳)、土屋太鳳(10歳)
雛月 加代(ひなづき かよ):悠木碧
ケンヤ(小林賢也):大地葉
ヒロミ(杉田 広美):鬼頭明里
八代 学:宮本充
「ユウキ」白鳥 潤(しらとり じゅん):水島大宙

(主題歌)
オープニング・テーマ「Re:Re:」
歌:ASIAN KUNG-FU GENERATION

エンディング・テーマ「それは小さな光のような」
歌:さユり




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