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ひそかブログ

アニメでするリアルの話、リアルでするアニメの話。そういうのが好きです。

化血研による血液製剤とワクチンの不正製造から感じた“遵法精神”の大切さ

医療・健康などの話

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読売新聞12月3日号の一面によると、厚生労働省は化血研(化学及血清療法研究所)が血液製剤やワクチンを国の未承認の方法で製造していた問題で、医薬品医療機器法(旧薬事法)違反で化血研に対し、業務改善命令などの行政処分を検討している、とのことです。


化血研による不正製造のあらまし

化血研が設置した第三者委員会の報告によれば。

化血研は1974年以降、血液製剤の生産がスムーズに進むよう、一部の製品に添加物などを加え、国が承認した手順とは異なる手順を採用していたようです。また製品化を急いだため、改めての承認申請もしなかった、とのこと。不正製造は血液製剤だけで31件、さらにインフルエンザなどのワクチンでも同様の不正が確認されたようです。

(読売新聞から要約して引用)



↓ こちらは化血研による不正製造製品の一覧です。
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↓ こちらは化血研製造の、おもなワクチン、市場占有率、出荷状況などです。

対象とする病気  市場占有率  状況 
インフルエンザ   29.0%   10/21、出荷自粛解除  
4種混合   64.2%   11/26、出荷自粛解除  
B型肝炎   79.9%   出荷自粛中  
A型肝炎   100%   出荷自粛中  
日本脳炎   36.2%  出荷自粛中  


4種混合とは、3種混合ワクチン(百日せき、ジフテリア、破傷風)にポリオを加えたワクチンのことです。数年前から3種混合 → 4種混合へと切り替わりました。


なるほどー
あれは10月だったか、4種混合ワクチン品切れの恐れあり、という話を聞きました。原因は化血研だったのか…… さらに薬害エイズ問題も化血研。ちょっと恐ろしい研究所ですね。

さっそく自分がうったインフルエンザワクチンの製造会社を調べてみましたが、ワクチンの製造元は化血研製ではありませんでした。ひと安心。ワクチン製造元はビケンか生研か、そのどちらか。まあだからといってインフルエンザワクチンに特別な影響があるわけじゃないでしょうけど、ワクチン製造には添加物を入れるのか、ということだけは印象に残りました。


化血研サイドの言いわけを予想してみる

薬害エイズ問題は論外として、ここでちょっと化血研サイドに立って言い訳を予想してみます。
おそらく、専門家ゆえにこれぐらい(添加物を多少増やしたり記載にない添加物を使用したりすることなど)は全然大丈夫、というのは分かっていて納期遅れ回避には仕方ない、という意識がどこかで働いたんじゃないかと思います。大丈夫、健康にはまったく、


「問題ない」
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(cv:碇ゲンドウ)

みたいな。


ワクチンを早く市場投入したい。しかし完成が遅れそうだ。
じゃあ使っちゃおっか、全然人体に影響ないレベルだし。だいたい国の承認手順は厳しすぎるんだよっ! だよなー

勝手に化血研サイドの言いわけとして職員の会話を妄想すると、過去にこんな話がされていたのかもしれません。

しかし大事なのは人体への影響がどうこうではなく、承認された方法でつくったかどうか、法令を遵守したかどうか、という点になるのだと思います。


トップに立つ人間にとって大事な遵法精神

え~と。
この記事では化血研だけをやり玉にあげたいわけではないです。

むしろ化血研に関する新聞記事を読んで印象に残ったのは、とある社長の言葉がフラッシュバックしたことでした。正確に引用できなくて申し訳ないのですが、社長がおっしゃっていた言葉の内容を要約するとこんな感じです。


トップに立つ人間を選ぶとき、最も重視すべきは「遵法精神」(じゅんぽうせいしん)である。法律やルールを守ることを第一に考える資質を持った人間を選ぶことが肝要だ。
会社人としての力量は、トップに立ってからの経験であとからでも獲得できるが、遵法精神は、いくら教育しても資質を持たない人間は決して獲得しない。


とある社長の言葉は、おおよそこんな内容でした。
「遵法精神」は、よくいう「コンプライアンス」(法令遵守、ほうれいじゅんしゅ)と似たようなものですね。

組織のトップを選ぶときは、その人物が「遵法精神」の資質を持った人物かどうか見極めるのが大事、ってことでしょう。守らない人は結局守らない。そして守らない人間をトップや要職に選んだ場合、その結果としていったん大きな社会問題を起こしてしまえば、今度は会社の存続そのものを危うくしてしまうからってことかと。


今年の秋以降、遵法精神の欠如を感じさせる出来事が相次いでいます。
VW(フォルクスワーゲン)による排気の偽装、東芝による収支報告の偽造、横浜マンション・旭化成建材による不正なデータの流用、そして今回の化血研による不正製造とと。

これらはみなすべて、根底にあるものは同じじゃないかと感じます。
すべてに潜むものは「遵法精神の欠如」
法律やルールを守ることよりも、コスト・納期・表向きの企業業績などを優先していった結果じゃないかと。

コストが大幅に予算オーバーだ、納期が大幅に遅れそうだ、こんな赤字わが社のメンツにかけて出せるか! そんな時に法令遵守という一線を越えずに踏みとどまろうとする資質を持った人間というのは、稀有な存在で実際にはなかなか存在しないのでしょう。私も怪しいですし。確実に遅れると分かっていたら、多少赤信号気味でも強引に交差点に突っ込むことがありますので。


がしかし。
VW、東芝、旭化成建材、化血研とたてつづけに続いてくると…… 
根底はみな「遵法精神の欠如」で同じじゃないかと感じちゃいます。


最後に

ということで。

新聞を読んで、社長の言葉の持つ説得力がますます強まってきた。
化血研による不正製造の新聞記事は、そんな印象を強く残すものでした。


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