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ひそかブログ

アニメでするリアルの話、リアルでするアニメの話。そういうのが好きです。

観測点を設け敵を長距離砲撃する。「旅順」を連想したアルドノア・ゼロ第18話

アニメ感想・アニメ関連の話

アルドノア・ゼロ第18話、「灼熱のソリス」戦を見ながら、心の中で声をあげました

- 旅順だ!

高所に観測点を設け敵の座標を測り、長距離からの砲撃を加える。
アルドノア・ゼロでは敵の死角の海ごしに、日露戦争の旅順では山ごしに。
わずか4分強の戦闘シーンでしたが、旅順を連想して胸が高鳴りました。

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しかし視聴後の興奮が収まり、冷静になってくると「そんなに似てたか?」
どうなんだろう? 実際に比較してみました。




セルナキスが搭乗したカタフラクト「ソリス」戦と、日露戦争における旅順艦隊攻略までの流れです。

1. アルドノア・ゼロのソリス戦

敵機「ソリス」
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ビルの屋上へと上がり、高所から敵の座標を観測する伊奈帆
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伊奈帆
「音響解析。敵座標確定。目標『29.951103, -90.085579』」
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マグバレッジ艦長
「了解、標準合わせ。発射」

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伊奈帆
「着弾。修正。037, 025」


以下セリフ
「光学兵器は直線でしか攻撃できません。地球の丸みに隠れれば届かない」
「しかしこちらの砲弾は引力で放物線を描くので水平線の影にもとどくと」
照準さえ可能ならば」

アルドノア・ゼロのソリス戦は、

座標測定 → 敵の死角からの砲撃 → 着弾地点確認 → 修正 → 再砲撃

という流れですね。
ところで光学兵器の直進性ってどれぐらいなんだろう? 光と同レベルぐらい? 



2.旅順艦隊攻略の流れ
旅順艦隊攻略の概略図です。画像は「 歴史人公式ホームページ|歴史人: 歴史人別冊「日露戦争の真実」」 より
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ロシア海軍旅順艦隊の作戦は、旅順港内の奥に引きこもり、増援としてはるばるバルト海からやってくるバルチック艦隊を待つ、というものでした。逆に日本海軍としては、バルチック艦隊到着前に旅順艦隊を沈めたい。海上から地形を見て、「旅順要塞の二〇三高地からならば湾内が一望できうる」と考え、そこを奪取し観測所を設け、旅順艦隊に陸側から砲撃を加えて欲しい、と陸軍に要望しました。そのため、戦争開始当初の予定にはなかった旅順要塞攻略が必要となり、その要塞攻略戦は大変な流血をともなうものに…… という流れです。


日露戦争当時の二〇三高地。「日露戦争−旅順要塞攻略戦�B」より
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「観測点」としての二〇三高地から眺めた旅順港の光景です。
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旅順陥落時の港内。日本軍の砲撃により多数の軍艦が大破着底しています。
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座標測定 → 砲撃 → 着弾地点確認 → 修正 → 再砲撃

という流れはアルドノア・ゼロと一緒ですね。
両者の違いは、アルドノア・ゼロでは、敵の座標を観測するために伊奈帆がビルの屋上へ短時間で上がりますが、旅順の場合は、そのビルの屋上(二〇三高地)を確保するまでが大変だった、ということになります。


ニ〇三高地を奪取し、初めて旅順港を見おろした場面について。
司馬遼太郎著「坂の上の雲」の第5巻(文庫版)から引用してみます(p.113~114)


- 児玉は、ニ〇三高地占領がほぼ確定した午後2時、みずから有線電話にとりつき、山頂の将校にむかって電話した。
「旅順港は、見おろせるか」

この点、ながく疑問とされてきた。
東郷の封鎖艦隊は、早くから、海上から地形を按じて「ニ〇三高地から旅順港を見おろし得る。この高地をうばって山頂に観測所を設け、陸地から山ごしに重砲弾を撃ちこむことによって、旅順艦隊を覆滅できる」としてきたが、乃木軍司令部は、それに対して一顧もはらって来なかったのである。
児玉は、それに着目した。重砲陣地を大転換させることによって歩兵突撃を用意ならしめ、あっけないほどの簡単さで、二〇三高地をうばった。

受話器に、山頂からの声がひびいた。
「見えます。各艦一望のうちにおさめることができます」
児玉は受話器をおろした。かれの作戦は奏功した。あとは、山越えに軍艦を射つことであった -



どうでしょう、両者は似ているのでしょうか。共通しているのは、
高所に観測地点を設け、障害物越しに敵を狙い、着弾地点によって修正を行いながら砲撃を加える
という点かな? 高い所から敵を見る感じは似てますね。
また、戦史をひもとけば同じような戦闘例は数多く存在するでしょう。


似ているかどうかはさておき。 
私にとっては「旅順」を連想させてくれたこと自体が興奮ものでした。
 
アルドノア・ゼロ第18話は、「旅順」という現実の日露戦争を想起させる部分が楽しかったです。胸が高鳴りました。
アニメを見ながら、連想が2次作品の範疇を超えたものに及ぶと興奮が段違いに上がります。2次作品の範疇を超えたものとは、ぶっちゃけ「現実」のこと。政治、歴史、宗教、科学、宇宙、民族etc……、何でもいいんですが。現実の諸問題に対するメッセージでもいいし。


まあそんな感じで。
2次作品の範疇を超えた連想が働くと楽しいもの。これはアニメに限らずですけど。
改めてそういうことを再認識させてくれたアルドノア・ゼロ第18話でした。



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