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ひそかブログ

アニメでするリアルの話、リアルでするアニメの話。そういうのが好きです。

ヤマトは国家の「戦略」の話? 「発進後30年! 『宇宙戦艦ヤマト』 健在ナリ」(宝島社)より

宇宙戦艦ヤマト2199

「日本人には戦術あって戦略なし」
作家・司馬遼太郎さんの言葉です。

宇宙戦艦ヤマト2199」の第1話に熱くなりました。
子供の頃,ヤマトは「SF作品」として面白いと思っただけでしたが,大人になった今このアニメを見ると,宇宙戦艦ヤマトは「SF要素」と同時に,なにか日本人の持つ「戦略」の要素を描いた話なのではないか,と感じました。なんせタイトルが旧・日本海軍の象徴「大和」ですしね。

ヤマトはSF要素だけでなく,戦略要素も面白そうな予感がいたします。では,本編の先の展開を含むような話は続きから。


宇宙戦艦ヤマト2199」を出勤前に視聴し,その日の昼休みに図書館で一冊の本を借りてきました。本のタイトルは,「発進後30年! 『宇宙戦艦ヤマト』 健在ナリ」 (著者:円道祥之。2005年初版) です。

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まずは,少し長いですがこの本の序文を引用します。



(INTORODUCTOIN)- ガミラスと日本人は似ているのではないか?

 「宇宙戦艦ヤマト」は,そのブームの頃,「愛」や「ロマン」が強調された。なるほど,「ヤマト」はそういうアニメーションであった。
しかしその一方で,「ヤマト」はふたつの種族が.たがいの生存を賭けて戦う戦争のドラマでもあり,それが物語の大枠となっている。ふたつの種族の,生き残りを賭けた闘争とロマンという,相容れないものが共存しているのが「ヤマト」なのだ。

(中略)

 本書は,そんな「ヤマト」を戦争の物語として,とらえた。地球とガミラスの戦略を,分析した。
なぜそんな分析をしたいと思ったのか。それは,ガミラスがなぜ負けたのか,が不思議だったからだ。優秀な科学力,圧倒的な戦力。にもかかわらず,ガミラスは負けた。その原因を,「ヤマト」の世界に入りこんで検証してみたい,と考えて書いたのが,本書である。

 書き進めていくうちに,ひとつのことに気づいた。ガミラス人は言うまでもなく遠い星の生物であるが,そのメンタリティは驚くほど地球人に似ている。彼らは,我々と同じ欠点を持っていたのだ。その欠点が彼らの戦略をゆがめ,結局は惨憺(さんたん)たる敗戦に導いてしまったのである。

ではその欠点とはなにか? それはこの先をよんでいただくほかはない。

 もうひとつ,気づいたことがある。優秀な資産を持ちながら,戦略がないため大失敗をする… …。これは日本人そのものではないのか。日本人には戦術あって戦略なし,これは作家の司馬遼太郎氏の言葉であるが,だとしたら日本人もいずれ,ガミラス人と同様な大失敗をするのではないか。いや,しつつあるのではないか。

 そう考えると,放送が終了して今年で30年となる「宇宙戦艦ヤマト」は,現在でも多くの人に見られる価値のある,予見的なアニメーションといえるのかもしれないし,本書はその「ヤマト」を知るなんらかの手助けとなるかもしれない。いや,後者のほうは単なる筆者の願望だが。

   2005年2月 円道祥之

発進後30年!「宇宙戦艦ヤマト」健在ナリ

発進後30年!「宇宙戦艦ヤマト」健在ナリ




いい序文ですね。

私はヤマトに関していうと,ガミラスとイスカンダルの区別さえついていないレベルでした。ガミラスとイスカンダルって別物だったのか… 子供の頃に見たとは言っても,その内容をほとんど覚えていなかったことに気づきました。

宇宙戦艦ヤマト2199」の第一話は私に激しい衝撃をもたらしました。
はて,この衝撃の原因はいったい何だったんだろう? 私なりに考えて感想を書いたのですが,この本はその疑問に一つの答えをだしてくれました。その答えとは,

「ヤマト」は国の「戦略」の話でもある

ということです。
ガミラスの敗因をさぐることは,敗れ去る国の戦略の過ちを探ることになるのかもしれない。ひいてはさらに日本という国の持つ弱点をあぶりだすのかも…



日本海軍の象徴であったヤマト(大和)を中心に据えている段階で,原作者は戦争における国の「戦略」を検証したかったのではないでしょうか。また,出てくる戦闘機の型式をそのまま採用し,でてくる登場人物の名前の大半を歴史上の人物になぞらえている段階で,原作者は日本の戦略を,もっといえば日本を描きたかったのではないか,とも感じました。

「戦闘機・コスモゼロ」の型式は「零式空間52型」。いわゆる「ゼロ戦」です。
もう一つ,あとで出てくるでしょうけど,「戦闘攻撃機・コスモファルコン」の型式は「99式空間戦闘攻撃機」。こちらのモデルは,「九九艦爆」なんでしょうね。「九九艦爆」の正式な名称は,「愛知 九九式艦上爆撃機(あいち きゅうきゅうしきかんじょうばくげきき)」



私は,ヤマトの原作者はいったい何者なんだとう? と思いました。
どうやら原作者が西崎義展さんで,松本零士さんはアニメと同時進行でマンガを描いていたようですね。メデイアミックスのハシリ。

このあたりの詳細については,

宇宙戦艦ヤマト2199 第01話先行プレミア放送 『イスカンダルの使者』 - こいさんの放送中アニメの感想

に書かれているので,よかったらご覧になってみてください。



どうやら,故・西崎義展さんは,右翼系の方だったのかな?

右翼... か。

大いに結構じゃない。
一部の例外はたしかにいますけど,右翼とはつまるところ愛国心だと私は思います。まぁ右翼というより「右寄り(右翼寄り)の思想」,ぐらいですけど。

西崎義展さんは,「愛国心」のとても強い方だったのかなと。



宇宙戦艦ヤマト2199
こちらも「宇宙戦艦ヤマト」同様,ぜひ地球とガミラスの「戦略」を堪能できるような作りになっていて欲しいですね。さらに,そこはかとなく「愛国心」をただよわせるような作品になってくれれば...


あれっ、すでに結構な文字数に...
もともとは,「戦艦大和の沈没が象徴する時代の変化」,みたいな内容で書くつもりだったのですが…… 

それは別の機会にしたいと思います。
TVは半年かけて放送するらしいので時間はたっぷり。

宇宙戦艦ヤマト2199」は,アニメ感想と同時に戦略や歴史の話もできそうなのでとても楽しみです。


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